最近の買い物: ThinkPad Edge E130

先日 Lenovo ThinkPad Edge E130 という安いノート PC を買いました。 Debian の GNOME デスクトップをインストールして使っています。格安ながらなかなかいい感じに仕上がったのでちょっと紹介したいと思います。

購入まで

いまさらこんな普通のノート PC を買った理由は、このごろ自宅で Mac OSX ばかり使うのに飽きてきたので、 Linux 専用機とするための手頃なノート PC がほしかったということがあります。

機種選定においては MacBook Air や Ultrabook が理想だけど高すぎるし Netbook じゃ性能悲惨だしといったこだわりがあり、結構難航しました。まあいちばんの問題は間違いなく英語キーボードが必須という条件でしたが。

国内では条件に合うものがなかなか見つからず、海外の安い PC の個人輸入を試みるなどなどかなり思いつめてしまったのですが、最後に見つけた Lenovo のオンラインストアの ThinkPad Edge シリーズが CTO で英語キーボードの選択も可能だったので、結局これにしました。

ThinkPad Edge シリーズのスペック

買ったのは ThinkPad Edge E130 価格.com 限定エントリーパッケージ というもので、 CPU が Celeron 867 のいちばん安いやつです。 CTO で英語キーボードの他に IEEE 802.11a/b/g/n と Bluetooth 4.0 の無線モジュールを選択して税込 35,343 円でした。

これは Netbook 級の安さですが、安くても CPU は Sandy Bridge 世代の Celeron だし液晶も普通サイズの 1366×768 なので、 Atom の Netbook などに比べたら相当快適に使えるはずです。またチップセットも最新の Intel 7 世代の HM76 Express で USB 3.0 が標準装備という点もポイントです。

さらに ThinkPad Edge は SODIMM メモリスロットふたつに mSATA モジュールスロットを備えているので、増設用のメモリと SSD を別途買うことにしました。

これもコストとスペックのどちらを優先させるか悩んだのですが、パーツは後で別に使いまわせるだろうと考えて、スペックのほうをとることにしました。

使用感

といった感じで 8 月 12 日に注文したものが 8 月 21 日に届いたので使っております。

ThinkPad は最近キーボードのデザインが変わったようですが、 Edge のキーボードは MacBook に近いアイソレーション型で私には使いやすく、久々に使ったトラックポイントも中ボタンとホイールエミュレーションが快適で、なかなかよい端末だと思いました。ただしタッチパッドはまったく使い物にならないと感じたので機能を殺して使っています。

液晶パネルはノングレアです。まともな色が出る視野角がかなり狭いようで、かなり見づらく感じました。また暗い部屋ではバックライトがまぶしく感じます。まあこれは値段相応でしょう。

本体の重さ 1.54kg 厚さ 23mm はいまどきの 11 型ノートにしてはちょっと重くてごつい感じがしますが、そのぶん拡張性がありメンテナンスもしやすくなっています。ユーザによるパーツ交換も メーカーのマニュアル つきでサポートされているので安心です。

Linux は Debian wheezy amd64 を netinst で mSATA の SSD にインストールし、その後 sid の GNOME デスクトップ環境にして使っています。HDD にプレインストールの Windows 7 は残したままです。 HDD は使わなければ取り外してしまえばかなり軽くなりそうです。

デバイスは Debian のカーネル 3.2.0-3-amd64 のドライバで大したトラブルもなく普通に使えています。音量や輝度調整のホットキーも何もしなくても刻印通りに動作しました。無線 LANbroadcom-sta からモジュールをビルドする必要がありましたが、あとは NetworkManager で普通に 5GHz の AP を見つけて接続できました。

いまだによくわからないのがトラックポイント/タッチパッドの設定で、今は gpointing-device-settings をインストールして、トラックポイントの中ボタン (ボタン 2) とスクロールの両方を有効にして使っています。これは慣れるとかなり快適ですが、なぜか横スクロールができないことが不満です。

タッチパッドは前述のように無効にしています。ただ Windows の Synaptics ドライバで使える、円を描くジェスチャでのスクロールが結構よかったので、あれが Linux でも使えればなあと思います。 gpointing-device-settings にも似たような機能はあるみたいなのですがまともに動きません。

なお Linux 環境は Windows に比べて省電力設定がいまいちなようで、本体横からは常に温風が吹き出ており熱いです。バッテリの持続時間も Windows に比べてかなり短かく、フル充電から普通に使ってだいたい 4 時間程度しかもたないようです。このあたりはまだまだチューニングの余地があります。

最後に性能ですが、メモリ 16GB と高速 SSD を導入した効果もあって GNOME Shell に Google Chrome がストレスなく動き実に快適に使えています。 5GHz の無線 LAN が使えるもよいです。 CPU は最低スペックの Celeron 867 (デュアルコア 1.3GHz) ですが、この環境で Web や動画を見たり端末エミュレータを使うなら十分な性能です。

まとめ

というわけで Netbook なみの値段のわりには (増設パーツに必要以上の金をかけましたが)、なかなかよいノート PC が買えたと満足しております。

ThinkPad Edge は ThinkPad とは別物と言われているようですが、そういうこだわりがない人には普通に薦められるよいノート PC です。無骨なデザインながらも拡張性とメンテナンス性を確保した設計や整備されたハードウェアマニュアルなどのサポート体制は IBM 時代の ThinkPad を受け継いでいる気もします。

そして自分のプログラミング環境には、やはり仮想マシンでない実機で動く Linux のデスクトップ環境がいちばん捗ると実感しました。特にボタン 2 を多用する GUI に ThinkPad のトラックポイントはかなり相性がいいようです。

このノート PC なら Windows や OSX にして使いたいという誘惑もないと思うので、このまま Linux で末永く使っていきたいと思います。

2012/09/01 13:41:00 JST