最近の買い物: ASUS Chromebook Flip C100PA

Chromebook Flip C100PA

ちょっと前の話になりますが、 ASUS Chromebook Flip C100PA というノートパソコンを買いました。人生初 Chromebook です。

10 型ディスプレイに 890g という、 毎日通勤に持ち歩いても苦にならない大きさと重さで気に入っています。 電車の中で使うのは 12 型で外付けマウス必須な EliteBook ではちょっと無理でしたが、 この Chromebook なら普通に使えるようになりました。

顛末

この機種について知るようになったのは、 10 月上旬に日本でも発売開始したあたりの頃に、 渋谷のビックカメラの展示機をいじってみたのがきっかけでした。

同価格帯・同サイズのノートパソコンや Chromebook に比べて筐体の質感が段違いによく、 またタッチパネル IPS 液晶ディスプレイでたいへん見やすいのがまず好印象でしたが、 解像度は 1280x800 と低く、 CPU も Intel ではなく Rockchip RK3288 という聞き慣れない ARM SoC が載っていたので、 はっきりいってカタログだけ見てたら見向きもしなかったと思います。 しかしながら実機をいじってみるとその先入観を覆すほどスムーズに動き、 また綺麗に web ページがレンダリングされることに驚きました。

特にタッチパッドを使った 2 本指スクロールが OS X の Magic Trackpad に近い感覚でドット単位でするすると動くことには感動すら覚えました。 なんでうちの 10 万円以上する PC の Ubuntu Desktop で動く Chrome はこれができなくてカクカクスクロールなんだろう、とも。

こうして、ほとんど一目惚れに近いかたちで購入を決意することになったのでした。

注文

ということで注文ですが、 やはり英語配列キーボードがほしかったのと値段が安かったので、 日本仕様モデルは買わずに amazon.com から米国仕様モデルを輸入することにしました。 なお米国仕様でも技適マークはしっかりついているので日本でも安心して使えます。

日本仕様ではメモリ 2GB のモデルのみが約 40,000 円 (11/30 時点で 36,940 円に値下げしてます) といった値段でしたが、 米国仕様はメモリ 4GB モデルも選択可能で しかも amazon.com ではそれが $279 という安値で売られていました (11/30 時点で$239)。

AmazonGlobal Priority Shipping の送料手数料 $50 程度を加算してもやはり 40,000 円程度ですので、こちらのほうが断然お得です。 この内外価格差はなんとかならんもんでしょうか。

自分の Chromebook は 10 月下旬に注文、 3 日ほどで無事届きました。

感想

初 Chromebook につき勝手がわからず、しばらくは試行錯誤の日々が続いたのですが、 最近になってようやく環境が落ち着いてきました。

Chrome 専用端末としては当初よりまったく問題なく使えています。 最初に褒めたたえたタッチパッド操作だけでなく、 タッチパネル操作でも同様に自然にスムーズに操作できます。 動画再生のパフォーマンスもよく Flash まで使えることに驚きました。 Google 日本語入力も PC で使えるバージョンと変わりなく、 快適に日本語入力ができます。

ディスプレイをひっくり返してタブレットモードにすると 端末の向きを自動検出して画面表示方向が自動的に切り替わります (向きを固定にすることもできます)。 またソフトウエアキーボードが使えるようになりますが、 これはちょっと挙動が不安定で、常用するにはつらいかもしれません。

Chrome のアプリとしては Google ハングアウトや Slack といった定番のほかに、 次のようなアプリをインストールして使っています。

自分の場合 Chromebook といえども開発にも使える GNU/Linux 端末にしたかったので、 developer mode を有効にした上で crouton を導入し、 Ubuntu 15.10 の chroot ユーザランドをインストールしました。 その中で sshd を起動し Secure Shell アプリから接続して使うようにしています。

Ubuntu 環境を使って ChromeOS 自体を調べてみると、動いているのは armhf の glibc ベースのユーザランドであることは間違いないのですが、 そこに Xorg の姿はなく、噂の Freon に置き換わってしまった後のようです。 これがパフォーマンスの向上にだいぶ寄与しているのではないでしょうか。 chrome がリンクしている DSO をみると次のようになっていました。

chronos@localhost ~ $ /lib/ld-linux-armhf.so.3 --list /opt/google/chrome/chrome
        libbrlapi.so.0.6 => /lib/libbrlapi.so.0.6 (0xb28c2000)
        librt.so.1 => /lib/librt.so.1 (0xb28b4000)
        libdl.so.2 => /lib/libdl.so.2 (0xb28a9000)
        libsmime3.so => /usr/lib/libsmime3.so (0xb288e000)
        libnss3.so => /usr/lib/libnss3.so (0xb27d2000)
        libnssutil3.so => /usr/lib/libnssutil3.so (0xb27b4000)
        libnspr4.so => /usr/lib/libnspr4.so (0xb2788000)
        libfontconfig.so.1 => /usr/lib/libfontconfig.so.1 (0xb2759000)
        libfreetype.so.6 => /usr/lib/libfreetype.so.6 (0xb26e1000)
        libpangocairo-1.0.so.0 => /usr/lib/libpangocairo-1.0.so.0 (0xb26d6000)
        libcairo.so.2 => /usr/lib/libcairo.so.2 (0xb2632000)
        libpango-1.0.so.0 => /usr/lib/libpango-1.0.so.0 (0xb25f8000)
        libglib-2.0.so.0 => /usr/lib/libglib-2.0.so.0 (0xb2513000)
        libharfbuzz.so.0 => /usr/lib/libharfbuzz.so.0 (0xb24cd000)
        libxkbcommon.so.0 => /usr/lib/libxkbcommon.so.0 (0xb249c000)
        libdbus-1.so.3 => /usr/lib/libdbus-1.so.3 (0xb2458000)
        libdrm.so.2 => /usr/lib/libdrm.so.2 (0xb244c000)
        libgestures.so.0 => /usr/lib/libgestures.so.0 (0xb23f6000)
        libevdev.so => /usr/lib/libevdev.so (0xb23ef000)
        libgbm.so.1 => /usr/lib/libgbm.so.1 (0xb23eb000)
        libasound.so.2 => /usr/lib/libasound.so.2 (0xb2363000)
        libcras.so.0 => /usr/lib/libcras.so.0 (0xb2358000)
        libexpat.so.1 => /usr/lib/libexpat.so.1 (0xb233d000)
        libpthread.so.0 => /lib/libpthread.so.0 (0xb2329000)
        libstdc++.so.6 => /usr/lib/libstdc++.so.6 (0xb2271000)
        libm.so.6 => /lib/libm.so.6 (0xb2204000)
        libgcc_s.so.1 => /usr/lib/libgcc_s.so.1 (0xb21d9000)
        libc.so.6 => /lib/libc.so.6 (0xb20ea000)
        /lib/ld-linux-armhf.so.3 (0xb6f89000)
        libplc4.so => /usr/lib/libplc4.so (0xb20e5000)
        libplds4.so => /usr/lib/libplds4.so (0xb20e1000)
        libz.so.1 => /lib/libz.so.1 (0xb20ce000)
        libpng12.so.0 => /usr/lib/libpng12.so.0 (0xb20ae000)
        libpangoft2-1.0.so.0 => /usr/lib/libpangoft2-1.0.so.0 (0xb209e000)
        libgobject-2.0.so.0 => /usr/lib/libgobject-2.0.so.0 (0xb2060000)
        libgmodule-2.0.so.0 => /usr/lib/libgmodule-2.0.so.0 (0xb205c000)
        libpixman-1.so.0 => /usr/lib/libpixman-1.so.0 (0xb1fd2000)
        libjsoncpp.so.0 => /usr/lib/libjsoncpp.so.0 (0xb1fb6000)
        libspeexdsp.so.1 => /usr/lib/libspeexdsp.so.1 (0xb1fa3000)
        libsbc.so.1 => /usr/lib/libsbc.so.1 (0xb1f92000)
        libgthread-2.0.so.0 => /usr/lib/libgthread-2.0.so.0 (0xb1f8f000)
        libffi.so.6 => /usr/lib/libffi.so.6 (0xb1f86000)

また input-utils をインストールして調べてみると タッチパッド・タッチパネルには Elan というものが使われているらしく、 一般的な HID マウスデバイスとは別物のようでした。 ボタンに見える HID マウスのスクロールホイールとは違って Elan Touchpad はタッチした絶対座標をマルチタッチで検出するので、 ドット単位でのスクロール操作が可能なのでしょう。 Ubuntu Desktop でもこのようなデバイスを接続すれば、 Chromebook のようにスムーズなスクロールができるかもしれません。

yaegashi@localhost:~$ input-events 4
/dev/input/event4
   bustype : BUS_I2C
   vendor  : 0x0
   product : 0x0
   version : 0
   name    : "Elan Touchpad"
   bits ev : EV_SYN EV_KEY EV_ABS

waiting for events
06:22:43.529856: EV_ABS ABS_MT_TRACKING_ID 9343
06:22:43.529856: EV_ABS ABS_MT_POSITION_X 1177
06:22:43.529856: EV_ABS ABS_MT_POSITION_Y 332
06:22:43.529856: EV_ABS ABS_MT_PRESSURE 50
06:22:43.529856: EV_ABS ABS_TOOL_WIDTH 3
06:22:43.529856: EV_ABS ABS_MT_TOUCH_MAJOR 177
06:22:43.529856: EV_ABS ABS_MT_TOUCH_MINOR 171
06:22:43.529856: EV_KEY BTN_TOUCH (0x14a) pressed
06:22:43.529856: EV_KEY BTN_TOOL_FINGER (0x145) pressed
06:22:43.529856: EV_ABS ABS_X 1177
06:22:43.529856: EV_ABS ABS_Y 332
...

yaegashi@localhost:~$ input-events 5
/dev/input/event5
   bustype : BUS_I2C
   vendor  : 0x0
   product : 0x0
   version : 0
   name    : "Elan Touchscreen"
   bits ev : EV_SYN EV_KEY EV_ABS

waiting for events
06:23:34.263885: EV_ABS ABS_MT_TRACKING_ID 917
06:23:34.263885: EV_ABS ABS_MT_POSITION_X 2399
06:23:34.263885: EV_ABS ABS_MT_POSITION_Y 411
06:23:34.263885: EV_ABS ABS_MT_PRESSURE 133
06:23:34.263885: EV_ABS ABS_MT_TOUCH_MAJOR 39
06:23:34.263885: EV_KEY BTN_TOUCH (0x14a) pressed
06:23:34.263885: EV_ABS ABS_X 2399
06:23:34.263885: EV_ABS ABS_Y 411
...

またこの端末がすばらしいのはバッテリの持続時間で、 カタログスペックで約 9 時間と、 Android タブレット並みに電池がもちます。 実際に週に 1 回程度しか充電していない気がしています。 なお充電には専用端子の専用 AC アダプタ (12V 2A) を使用します。

ということで毎日持ち歩いて楽しく使っておりますが、 ハード・ソフトの両面で不満な点もやはりいくつかありますので、 箇条書きでまとめておきたいと思います。

まとめ

この Chromebook で一番感心させられたのは、 PC であんなに重い重いといわれている Chrome でも Google が本気を出して作った専用実行環境の上なら Rockchip RK3288 のようなローコスト低スペックのハードウェアでも さくさく動くようになるということでした。

また先日 US で発売された ASUS Chromebit CS10 も RK3288 を使っているそうで、これも Chromebook Flip 並みの完成度・パフォーマンスが期待できそうだと思っています。

不満な点もいろいろ書きましたが、 それも後継製品や OS のアップデートで解消されていくでしょうから、 楽しみにしていたいと思います。 10 型フル HD ディスプレイのバージョンが出たら今すぐでも買い換えたいです…。

2015/11/30 23:27:57 JST