最近の買い物: Intense PC
今回は CompuLab Intense PC という小型 PC をやや衝動買いぎみに購入してしまいましたので報告します。例によって開封とセットアップのときに適当に撮った写真を Picasa Web アルバム にアップロードしておきましたので、おもしろそうなところをピックアップしつつ紹介しようと思います。
Intense PC については スペック表のページ および 直販価格表のページ がありますので参照してください。
自分が注文したのはメモリやストレージがついてない $441 の Intense PC Value Barebone というやつで、これに送料が UPS で $70 かかりました。PayPal で決済して 41,888 円、それと届けに来た運送業者に通関手数料として 1,000 円支払いました。
Intense PC は 2012 年 6 月の発売以来なかなかの人気なようで、納期は今でも 6 weeks となってます。自分のは 9 月 20 日に注文して 10 月 22 日に出荷されました。スペックをよく確認せず注文してしまったのと、届いた日に Ivy Bridge の新しい Mac mini が出てしまったので、今になってやや後悔しているところです。
まず残念だったのはチップセットが Intel HM65 Express という現行世代からはひとつ古いものだったこと。あとはふたつの NIC が両方 Intel 製だと思ってたら実は片方が Realtek 製だったということです。まあ事前にこの ブロック図 や フォーラム投稿 を注意深く見ればわかったことなのですが、スペック表だけで判断していました。
Intense PC の筐体は黒光りするアルミダイキャストのヒートシンクで覆われており、ずっしりと重く異様な存在感を醸し出しています。ちょうど たこ焼き器のプレート のような質感で、リビングスペースに設置するにはやや抵抗がある外観です。本体サイズは Mac mini より少し小さい程度ですが、このヒートシンクと AC アダプタの分だけ、電源内蔵の Mac mini よりも大きい設置スペースが必要になると思います。
Intense PC は FACE モジュール という基板で拡張できるようになっており、 FM-4E4U という Intel 82583V の GbE が 4 ポート搭載という素晴らしいモジュールがあるらしいのですが、これはまだ一般には売られてないようです。まあ値段もかなりしそうですが…。
自分が買った Value Barebone の CPU は Intel Celeron 847E 1.1GHz です。 先日買った ThinkPad Edge E130 が Celeron 867 1.4GHz で、これと同じシリーズの周波数違いを採用しています。他に GPU とかそういったものはついてない素直な構成ですので、性能はだいたい想像がつきます。
ストレージは 2.5" SATA のデバイスがつけられます。やはりまた E130 と同様にフルサイズ mini PCIe ソケットがあるので、ここに mSATA SSD などをつけることもできます。ふたつある eSATA ポートには Century EX35ES5 をつなげて試してみましたが、残念ながらポートマルチプライヤには対応していないようでした。
とりあえず今は MacBook Pro の SSD 換装で外した 250GB HDD をつけて、Ubuntu 12.10 を PXE boot でインストールしたあとに Lubuntu desktop にしてみました。当然ですがまあ普通に使えています。
インストールにおいては UEFI ブートが可能な BIOS だったのでパーティションテーブルを GPT にしてみました。 GPT で GRUB を動かすには Ubuntu Installer で Reserved BIOS boot area というパーティションを作っておく必要があるのですが、これがあまりに小さいと GRUB インストールに失敗するみたいで、何度かインストールを繰り返しました。
ファンレスなだけあって HDD 以外の動作音はまったくしません。熱についてはヒートシンクに触るとかなり暖かくなっているのがわかりますが、さわれないほど熱くはなりません。消費電力についてはワットチェッカーで計測してみたところ次のようになりました。
- 起動時ピーク … 18W
- Lubuntu デスクトップ アイドル状態 (ondemand governor で 800MHz 動作) … 12W
- Google Chrome で YouTube の 1080p 動画をフルスクリーン再生 … 21W
最後に lspci -v
と lsusb -v
の情報を載せておくので興味のある方は参考にしてください。
さて、果たしてこの Intense PC は買ってよかったのかという点ですが、今ですと 5 万円ちょっと出せば Ivy Bridge の Core i5 でメモリも HDD も OSX もついてくるオシャレな Mac mini が即日で手に入りますので、一般家庭ではそちらを選ぶほうがいいんでないかと思っています。
Mac mini の拡張性については Thunderbolt デバイスが安価な Ethernet アダプタ をはじめとしていろいろ出てきているので、そのうちストレージもネットワークもリーズナブルなコストで拡張できるようになるんでないでしょうか。
NIC 2 ポートを確保しつつそれなりの性能で安価な小型サーバが必要という方には Celeron の載った Intense PC はおすすめできるかもしれません。Celeron といっても中身は Sandy Bridge アーキテクチャでメモリが 16GB 載りますし VT-x の仮想化もこなす能力がありますので、このジャンルで採用の多い ARM や Atom や AMD Fusion のサーバに比べればずっとよい性能のサーバができます。 FM-4E4U が入手できるようになれば高性能な NIC が多く必要な方も満足できるでしょう (価格しだいではありますが)。
NIC が Realtek の GbE 1 ポートのみなど拡張性が限定されてもよければ ZOTAC ZBOX nano ID61 のような Intel の新しい世代の省電力 CPU を搭載した安い製品がいろいろありますので、そちらを選ぶのがよいでしょう。
個人的にはいま家のルータをやらせている CompuLab fit-PC2i が Atom Z550 / 32bit のみ / メモリ 2GB / カニ NIC と非力すぎるので、これを Intense PC で置き換えたいと思っています。しかしながらサイズがかなり大きくなるので設置場所の都合を新たにつけねばならず、実現はしばらく後になりそうです。
2012/11/04 15:52:00 JST