最近の買い物: DELL U2713H
先日 27 インチ WQHD (2560×1440) ディスプレイ DELL U2713H を購入しました。
すでに所有している同サイズ・解像度のディスプレイ ASUS PB278Q との比較を中心にレビューしてみたいと思います。
顛末
知人との雑談で 元旦に購入した ASUS PB278Q についての不満を愚痴っていたとき、ふと U2713H の値段を調べたところ偶然にも DELL 直販で 56,980 円で買える一日限定セールをやっていたので、思わずその場で会員登録・注文してしまったのでした。
セール品だけあって国内在庫も豊富らしく 7/24(水) に注文して 7/26(金) にはもう届きました。また楽天で別途注文した外付けスピーカー AX510 もその翌日に届きました。
仕様
次の表はこれまで私が購入を検討した低価格 27 インチ WQHD ディスプレイの比較です。
DELL U2713H | LG 27EA83-D | ASUS PB278Q | |
発売日 | 2013/02 | 2012/12 | 2012/10 |
パネル | AH-IPS | AH-IPS | PLS |
輝度 (cd/m2) | 50-350 | 350 | 300 |
コントラスト比 | 1K:1-2M:1 | 1K:1-5M:1 | 1K:1-80M:1 |
応答速度 (ms) | 6 | 5 | 5 |
色数 (ビット) | 30 | 30 | 24 |
色空間 | Adobe RGB 99% | Adobe RGB 99% | sRGB 100% |
PIP/PBP | あり | あり | なし |
Dsub 入力 | 0 | 0 | 1 |
DVI-D 入力 | 1 | 1 | 1 |
HDMI 入力 | 1 | 1 | 1 |
DisplayPort 入力 | 2 | 1 | 1 |
DisplayPort 出力 | 1 | 0 | 0 |
USB ハブ | USB3.0×4 | USB3.0×3 | なし |
SD カードスロット | あり | なし | なし |
スピーカー | オプション | なし | あり |
消費電力 (W) | 60-130 | 70 | 60 |
ディスプレイのみサイズ (mm) | 639×378×74 | 643×381×38 | 643×384×72 (実測) |
ディスプレイのみ重量 (kg) | 5.0 | 5.5 | 不明 |
付属品 | 専用キャリブレータ | ||
ドット欠け保証 | あり | なし | 輝点のみ |
価格 (2013/07/30時点) | 69,980 | 56,346 | 48,179 |
DELL U2713H は LG 27EA83-D と同じパネルを使っていると言われていますが、カタログを見ると細かな数値は結構違うようです。ファームウェアの差が出ているのでしょうか。
この中で U2713H はかなり高い値段で売られていますが、 kakaku.com の価格履歴 を見ると今回のような限定セールを頻繁にやっているみたいなので、それを利用すれば 5 万円台での購入も可能です。
設置
開梱後、付属のスタンドは無視して Ergotron 45-248-026 アームに取り付けます。もともと MacBook Pro をのっけていたトレイは取り外しました。
PB278Q に比べて重量があるのかアームのばねの強さに個体差があるのか不明ですが、どうもアーム上で重さがつり合う高さが低くなるので、アームを支柱の最も高い位置に調整しました。
U2713H と PB278Q では本体サイズ・色・デザインがほぼ一緒なため、両者を並べて設置しても違和感はありません。
外付けスピーカー AX510 はディスプレイ下部に取り付けられるようになっています。音質は値段相応ですがデザインに統一感があり見た目はなかなかよいです。右側のつまみでボリューム調整と電源の ON/OFF ができます。
画質
まず画質ですが U2713H の AH-IPS 液晶は PB278Q の PLS 液晶と同様に視野角も広くディスプレイ端部分の視認性も良好で、本職の方々ほどこだわりのない私にとっては十分な水準です。
発色についてのこだわりもほとんどないのですが、2 台ディスプレイを並べて色が違いすぎるとさすがに気になるので、最初に同じ映像を出しておおまかにでも調整することにします。
初期設定では U2713H は PB278Q に比べてちょっと鮮やかすぎるように感じました。両方で色温度を 6500K かつ色空間を sRGB モードに設定しブライトネスを調整したところ、だいたい同じように見えるようになったのでこれで使ってみます。
しかしながらカラーバー画像を並べて比べてみると、やはり違うことが私の目でもわかります。個々の色が異なるのはもちろんですが、不思議だったのは灰色のグラデーションの違いで、 U2713H はなめらかに変化しているのに比べ PB278Q は階段状な変化が目立ちました。元画像は 24bit なのでディスプレイの色数の違いが現れているとは思えません。なにか画像処理をしているのかもしれません。
入力切替
U2713H の OSD は右下縁に縦に並んだ 5 つのタッチセンサのボタンで操作します。白 LED を使ったナビゲーションはわかりやすく、ショートカットも 3 つ設定できるなどなかなかよくできています。 PB278Q の OSD は横に並んだボタンで上下移動させたりするあたりが微妙でした。
U2713H の重要な特徴として PIP/PBP 機能があり、また映像入力の自動切替も当然のように無効にできるので、複数のディスプレイをつなげて快適に使えます。
PB278Q はこのあたりが本当にだめなディスプレイで、入力は自動切替しかできず、そのおかげかどうかわかりませんが HDMI から DP への切り替えが無限ループに陥るなど、ファームウェアに問題がありそうな不具合が散見されます。
複数の映像を接続して切り替えて使うことを想定している場合は多少値段が高くなっても PB278Q は避けるべきでしょう。
DisplayPort
もうひとつ U2713H の優れた点として 2 入力 1 出力の DisplayPort があります。映像出力側が DP1.2 MST に対応していれば、ディスプレイのデイジーチェーン接続が可能です。
年初に買った ゲーム PC の GeForce GTX670 は DP1.2 MST に対応しているので GTX670 – U2713H – PB278Q という順番で接続してみました。
しかしながらこの構成で PC の電源をいれても PB278Q はスリープモードに入ったまま起き上がらず OS/ドライバ に認識されません。いろいろ試行錯誤した結果、OS 起動後に PB278Q の電源を切って入れなおすことでようやく認識されることがわかりました。やや癖はありますが、まあ使える感じです。
Windows でも Linux でも同じ挙動となるので、問題はハードウェアにあるようです。個人的には PB278Q のファームウェアにやはりまずいところがあるのではと思っています。
まとめ
ということで PB278Q の半年遅れで購入した U2713H ですが、PB278Q にあったような欠点や不満がなく満足しております。まあ PB278Q を買った時点では 27EA83-D は品薄で U2713H も売られておらず、ほぼ選択肢はなかったわけですが…。
両者を比べて分かったことは、廉価なディスプレイはその分ファームウェアや OSD も粗悪なことがあるので注意が必要ということでしょう。とはいっても画質以外の細かい機能や仕様は確認しづらいものなのでこの記事が参考になれば幸いです。
現在は PB278Q と U2713H を同じ高さに並べて置き、それぞれに OSX と Windows 8 を表示させ、手元の ThinkPad E130 (Debian wheezy) から synergy で両者を操作しています。結局のところこのスタイルがいちばんはかどるようです。
2013/07/29 06:26:00 JST